マイギター列伝④
’11マーティン C.F.Martin D-28 カスタム
マーティン(C.F.Martin)とは
現在の鉄弦アコースティックギターの歴史そのものであるといえるC.F.Martin社は、ウィーンでギター製作家のヨハン・シュタウファーの下で修業した創立者クリスチャン・フレデリック・マーティン(マーティンⅠ世)が1833年にニューヨークに渡り、創業したことから始まります有名なヘッドのロゴ「C.F. Martin EST.1833」はそれを表しています。
「マーティン」なのか「マーチン」なのか・・?
年配の方は(60代以上?)けっこうモロに「マーチン」って発音するのですが、最近は公式には「マーティン」ってことになってるみたいです。ま、英語の発音なんて、どうせまともにできてないんでしょうから、気にしても・・と思いながら、結構気になったりして・・
衝撃的だったのは、「マクドナルド」がアメリカ人は「メクダーナル」って発音してること!
どうりで、外人DJが発音する「マイケル・マクドナルド」(元ドゥービーブラザーズのボーカリスト)が誰だかわからないわけだ・・💦
代表モデルD-28
少し前までは、いわゆる「フォークギター」というと、だいたいマーティンの「D」型のコピーものでした。「D」とは「Dreadnought」の頭文字からきており、そのあまりに大きなボディが当時の英国海軍の誇る弩級戦艦のようだ・・というところからきています。
「28」とは、マーティン社では、ボディがローズウッドの標準モデルに与えられる形式番号です。なにせ、戦前からあるモデルなので、果てしなく仕様変更されて現在に至っていますが、世界中にマニアがいるので、戦前モノなどは「プリウォー」と呼ばれて、トンでもないお値段がついております。
Spec
・トップ:シトカスプルース単板(プレミアムトップ、フォーワードシフト&スキャロップ加工)
・バック&サイド:ローズウッド単板
・ネック:セレクトハードウッド
・フィンガーボード:エボニー
・ネック幅:42.9mm
・チューニングペグ:Grover 102
・ブリッジ:エボニー
・弦長:ロングスケール
・フィニッシュ:ラッカー
マーティンカスタムショップ
近年はマーティン社もファクトリーオーダーを受け付けており、ワタシのものもショップオーダーのものです。確か、2点以上の変更点(ロゴ変更とかブリッジピン変更でもよいみたい)でカスタムショップ製になるみたいです。(当然オーダーできるツテはいるでしょう・・)
音に関係ない変更でも、カスタムラインの仕事はレギュラーラインとは違って作りが良い…っていう都市伝説がありますが、真相はいかに?
ま、自分の耳で確かめませう〜🦻
レギュラー品からのグレードアップ点は
・トップのシトカスプルース→プレミアムスプルース
この時期、けっこうプレミアムトップ仕様ってのが+3万だったか5万円の追金であったのですが、本器も変更されているみたいです。でも、プレミアムって言っても、その時点での社内基準なので、なんともあいまいなものみたいです。
・ブレーシング→フォワードシフト&スキャロップブレーシングに
D-28は長い歴史の中で、鉄弦の張力に耐えるために、力木(マーティン開発のXブレーシング)がこの時代は標準でリアシフト(チョイ後ろ目)になっているのですが、ここがショップオーダーでフォーワードシフトになっており、なおかつスキャロップ(弓なりに削る)されています。
当然引き換えに強度は落ちているかと・・
プレミアムトップが強いから大丈夫なのか?
弾いてみて・・
なんだが、「マーティン」っていうと、スゴイ高いお値段の割には装飾は5万円のギターみたいだし、ぼったくりなのか・・?と思って敬遠していたのですが、やっぱりマーティンにしか出せないいわゆる「鈴なり」みたいなのがあるようなカンジがいたします。(プラシーボかも・・)
一説によると、あのすぐに起き上がるネックジョイントなど、わざと強度を落としてあるのであの音がする・・っていうのも読んだことがあるのですが、どうでしょう?
まあ、百聞は一見にしかず。いろいろ個体差はあると思いますが、歴史的名演をいろいろな名ギタリストが残してきたギターってことで、アコースティックギターの好きな方なら一度は所有してみる価値はあるなと思いました。
気になる点は・・
・トラスロッドのレンチが特殊だった・・
ま、「素人はいじるんじゃねーよ」ってことでこうなっているのでしょうが、いちいちショップに持っていくのも・・っていうことで、探してみたらありました!
使用の際はあわてず4/1回転くらいから少しずつ回しましょう。時計回りが締まる(ロッドが伸びる・順ゾリを直したい時)、反時計回りが緩む(逆ゾリを直したい場合)です。(作業の際はあくまでも自己責任で!)
・そっけない装飾
わかっちゃいますが、30マン円オーバーでこの装飾・・ピックガードなんて、タダの黒いプラ板みたいなのが貼ってあります。(現行品はべっこう柄でカッコいい・・)
・もったいない
貧乏性なので、キズが怖くて思い切ったストロークができません・・(涙)
・ヘッドロゴが金箔
やっぱりデカールロゴがカッコいいかと・・(個人的趣味です)
・グローバーペグ
なんだか、ビミョーな遊びがあるというか、やっぱりペグはゴトーがイチバンだとおもいます。ただ、マーティンは60年代よりグローバーを使っているので、その歴史的な意匠もありますので。
ここは、ゴトーの510グローバーレプリカに換装かな?
以上、音とはまったく関係ないことだらけになってしまいました。メイドインUSAというと、ギブソンみたいにいかにも作りが荒い・・ってな感じですが、マーティンはキレイな作りです。近年物はだいぶ機械化しているのもあるとは
マーティンにはやっぱり純正の弦がマッチング・・?
マーティン弦のセットは他社に比べて低音弦が若干太いです。
コメント
ネック幅 22.9mm
はかなり狭いと思うのですが?
おお、うっかりまちがえておりました・・
お知らせいただきありがとうございます。42.9mmに訂正です!
お読みいただき、ありがとうございました。