マイギター列伝⑧
エピフォン カジノ Epiphone Cajino
カジノといえばビートルズ!
なんといっても、「カジノ」といえば、かのジョン・レノンをはじめ、ビートルズメンバーに使用されたギター!ということで有名なわけであります。
最初にカジノを入手したのはポール・マッカートニーだったらしい(ポールは今でも当時のカジノをライブで使用している!)ですが、後にジョンとジョージも使用するようになります。
ちなみに、ポールのカジノは62年製で、ジョージ、ジョンのは65年製みたいです。
特にジョンの使用したカジノは、最初のサンバースト塗装をはがされ、ナチュラルカラーになり、ソロになってからも愛用されたことで有名です。
カジノの歴史
カジノはエピフォン社のギター・・なのですが、エピフォン社は1957年にギブソン社に買収されており、このカジノもギブソンES-330の兄弟ギターとして同じ工場で生産され、ヘッド形状やポジションマークが異なっていますが、おおむねスペックも同じです。
・・であれば、本家ギブソンのほうが人気がありそうですが、ビートルズが使ったことにより、より有名になったワケなのです。
最大の特徴は、薄めのボディーに中身が空洞のフルアコースティック構造になっていることですが、大音量でのプレイではその構造上、ハウリングを起こしやすいのが欠点です。
しかし、それを逆手にとったフィードバック奏法を使えることが利点(?)になります。
日本製カジノ・・?
当初、エピフォンブランドはギブソンの兄弟ブランドみたいな感じでそんなに価格差もなかったらしいのですが、どんどん廉価版・・という位置づけになり、70年代からは生産が日本に移され、最初はマツモク工業で生産され、80年代後半からは寺田楽器製となります。(その後、コストダウンを求めて韓国製や、中国製などに・・)
ワタシはテキトーに見た目(当時ビートルズにかぶれておりまして)で購入したのですが、後にオレンジラベルから1993年製の寺田楽器製と判明しました。
実は購入する際に、後に寺田楽器が高級ラインとして生産していた「エリーティスト」の新しめのカジノもあったのですが、店員氏の「コッチはなかなか出てきませんよう~」というささやきでついついお買い上げ・・
寺田楽器製カジノのシリアル番号
一桁目が年数、二桁目がモデルタイプ(5がカジノ)、3~5桁が生産数のようです。
Myカジノに支柱か…!!
ワタシのカジノはだいぶ年数がたっていることもあり、金属部がくすんでいたので、一発奮起、ピックアップを外してメッキ磨きに勤しんでいたところ、なんと、ブリッジの下に支柱を発見・・!!
う~ん、オリジナルのカジノがどういう構造か存じませんが、これをフルアコ構造と言っていいものか?
まあ、良い方に考えれば強度的には心配がない(フルアコは弦の張力でトップが沈むことがあるらしく)んですが、なんとも・・
そもそも、日本製になってからはボディシェイプが違ってたり、ネックのジョイントが違う(オリジナルは16フレットジョイント、私のは17フレットジョイント)など、けっこうオリジナリティがあるカンジです。
細かいところでは、ギブソンの特徴でもあるバインディングがフレットのエッジになっているところまでコピーしていたりします。
そしてジャパンヴィンテージへ
近年は80年代~90年代の廉価コピーモデルと思われていた日本製ギターが「ジャパンヴィンテージ」なる呼称のもと、とんでもない値をつけるものがあり、この日本製カジノも物によっては驚くべき値段で取引されているのを見ることがあります。
私も値が上がり始めたころに、「高いなあ・・」と思いながら購入したものでしたが、特に最近の高騰ぶりには驚かされます。
確かに、現在の木材の枯渇具合や、希少性でそうなっているのかもしれませんが、当時の値段を知る者としてはなんとも複雑な心境です。
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