アコギの巨人たち(和⑨)
泉谷しげる(いずみやしげる)
性格俳優?いや、フォークシンガーですが・・
もはや、昭和のガンコ親父を演じ(演技というより、地のまんま?)させたら右にでる人はいないといっても過言ではないでしょう。
今の若い人は、性格俳優か、いにしえのパフォーマー・・としか認識していないかもしれませんが、『春夏秋冬』をはじめ、数々の名曲を歌ってきたれっきとしたシンガーなのです!
その昔、「夜のヒットスタジオ」で、松山千春(なぜか泉谷しげるにだけは敬語・・)とトークになって、「私はフォークシンガーですが、泉谷先輩はジャンルにとらわれないシンガーです!」と言っていたのを思い出しましたが、確かに泉谷氏の歌は誰にもマネできない、「泉谷しげる」というジャンルなのかもしれません。
初期のフォークから、ロックへとスタイルを変えながら、俳優業にも進出、御年75歳(2023年現在)ながら、パワフルに活動を続けています。
アコギで弾きたい(聴きたい)泉谷しげる
春夏秋冬
1972年発表の、言わずと知れた泉谷氏の代表曲です。
本人も何回もセルフカバーしていますが、この初出のバージョンはなんと、あの天才、加藤和彦氏プロデュースです。
あの風貌、性格でこんなに繊細な歌詞(しかも、当時23歳・・)がどこから出てくるんでしょうか・・💦
黒いカバン
1972年の初スタジオアルバム『春夏秋冬』より
この曲、なんか吉田拓郎ぽいよなあ・・と思っていたら、作詞はかの岡本おさみ氏でした。
当時はこんな感じで学生活動家を取り締まることは日常だったとか・・
故加藤和彦プロデュース作品
春のからっ風
通算3枚目のシングルとして発表されました。
始めて社会に放り出された時の、なんともやるせない感・・がうまく表現されていると思います。
ま、生き方なんて、いくつになっても何が良かったのかまったくわかりませんが・・💦
後に桑田佳祐や福山雅治もカバーしています。
眠れない夜
通算5枚目のアルバム、『黄金狂時代』に収録されている、4枚目のシングルです。
ロックサウンドに移行し、ギターのリフがカッコいいです。
アコギで弾き語ってもカッコいいと思いますが、泉谷作品は本人の歌あってですからねぇ・・
翼なき野郎ども
ロック期の名盤、『80のバラッド』より。
いかにも泉谷しげるっぽいと思われる過激な歌詞ですが、80年代に入り、何も怒ることがなくなった世の中への怒り・・を表現したそうです。
いいのか、悪いのかわかりませんが、たしかにあの頃からずっとシラケた世相が続いているような感じがします。この歌はその雰囲気に対する危機感が泉谷流に発露しています。
泉谷しげるのギター
あのパフォーマンスをご覧になればわかるかと思いますが、なんともギターをかき鳴らす・・といったスタイルなので、ギターはなんでもいいような気はしますが、ステージではモーリス、スタジオではギルドのようです。
その昔、何かの本番の直前に弦が切れて、加藤和彦氏のマーティンD-45を借りて収録して、帰ってきたらキズだらけに・・といったことがあったようです。(坂崎幸之助談。泉谷さんにだけはギター貸したくない・・と・・💦)
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